ことば部やまけんの本屋巡りの旅
第4回『ジュンク堂書店 大阪本店』

こんにちは、ことば部のやまけんです。
僕は昔から本屋さんにいくと、なんだか無性に心がワクワクします。

自分の手元に無限の可能性がある感覚。
目当ての本を買う日もあれば、何も決めずに行って、その日出会った本を買って帰ったり。
子どもの頃から、27歳になった今も変わらず、本屋さんが大好きです。
大好きという気持ちは、段々と憧れに変わってきました。

いつか本屋さんを作りたい。その気持ちを胸に、ことば部やまけんが街の本屋さんにたくさんのこ
とを教えてもらう。
『ことば部やまけんの本屋巡りの旅』はそんな連載です。

第4回はジュンク堂書店 大阪本店さん。
子どもの時から大人になった今まで何度も立ち寄り、たくさんの大切な本に出会った書店。この連載を読んでいる人の街にもあるのではないでしょうか。

天井まで届くくらいの高い本棚に広い店内。
ジャンルも多岐に渡るその蔵書量は、どの本にしようか思わず迷ってしまうほど。

自分は、そんな本屋さんで迷う時間が好きです。
何の本を買おうか迷っている時、自分は無限の可能性を手にしているような気がする。
こんなに贅沢な気持ちになっていいんだろうか、と思ってしまうほど。

今回は 「ジュンク堂で迷う真夜中」をコンセプトにしたイベント『ミッドナイト・ジュンクラブ』の企
画・運営をされている丸善ジュンク堂書店の二村さんに、お話をお聞きしました。


フェリシモことば部は今年、ミッドナイトジュンクラブというイベントに参加する。

このイベントでは8月22日の21時から8月23日の朝6時にかけて、ジュンク堂で夜を過ごすことができるのだ。

夜通し本屋さんにいることができるなんて。そしてそれもジュンク堂で。
小さい頃に自分が思い描いていた夢が叶ったようなイベント。

ことば部として、二村さんとミッドナイトジュンクラブの打ち合わせをするとき、話すことや、言葉が
キラキラとしている人だなあ、と思っていた。

今回、そんなキラキラの理由が分かるのかもしれない、そんなことを思って取材に向かう。
お話を聞くのがとても楽しみだった。


「自分が1番好きな本屋さんがジュンク堂だったんです」

これまでこの連載でお話を聞いてきた独立系書店さんは、お一人でやっている分、どのお店も店主さんの人柄や意思が、書店に色濃く反映されていた。

対して今回取材をする丸善ジュンク堂書店さんは、全国に店舗を持ち、数多くの人が働いている大型書店。
まずはそんなジュンク堂さんの、ジュンク堂らしさのことを聞いてみた。

「ジュンク堂らしいとよく言ってもらえるのは、蔵書量の多さですね。本がいっぱいあって、棚に本
がみちみちと詰まっていて。ベンチがあったり、立ち読みして、たくさんの中からゆっくり本を選べるような、迷ってもいい空間なんじゃないかな、と思っています。」

「本屋で働いてみようと思った時に、自分が1番好きな本屋さんで働きたいと思っていて、それが
私にとってはジュンク堂だったんです。最初に入ったのは名古屋の店舗だったんですけど、天井
が高いお店だったので、段に登らないと1番上まで届かなかったりして、見上げても本がある!みたいな。そういうところが大好きで。」

確かに自分が普段ジュンク堂に立ち寄る時、椅子やベンチの多さにも驚く時がある。
ミッドナイトジュンクラブのコンセプト文にもあり、話の中でも出てきた「迷う」という言葉のことを、もう少し聞いてみたくなった。

「丸善ジュンク堂書店が大事にしている考え方の中に『読前・読中・読後』というものがあって。読
書をする、というのは文章を読んでいるその瞬間のことだけじゃなくって、読んでる前に何を読もうかワクワクしたり、読み終わってこれを誰かに伝えたいと思う時間も含めて、読書だという考え方なんですよね。ジュンク堂は本を買いにくる場所でもあるけど、それだけじゃなくて、何も買わなくても、本がある場所に来るだけでもいい。そんな開けた感じもジュンク堂らしさだな、と思うので『迷う』という言葉を(イベントのキャッチコピーにも)入れました。」


「本屋は楽しくなる義務がある場所だから、楽しくなきゃいけないんだよ」

「ジュンク堂らしいなって私が思うのは、文化祭っぽいところもあると思います。手作りのフリーペーパーを配ったりとか、立体造形を飾ったりとか。そういう手作りの品が凄く多くて、本当に楽しいんですよね。」

「本屋で働く前まで仕事って辛いものだと思っていたんですけど、転職して本屋になったら本当に楽しくて。でも楽しくていいのかな、という気持ちになることがあったんです。それを上司に話した時に、『本屋は楽しくなる義務がある場所だから、楽しくなきゃいけないんだよ』と言われて。楽しくなる義
務がある場所の本屋で働く私も、楽しくていいんだと思って。」

お話をしている中で、「あ、あれ見せたい!」と今まで店頭に並べた刺繍や手作りのPOPの写真を楽しそうに見せてくれる二村さん。
その言葉や時間はやっぱりキラキラと輝いている。

「今回のミッドナイトジュンクラブも始める時、本当に楽しそうって思いました。どんな人が来てくれるだろう、誰に声をかけよう、と思ったりして。名前やコンセプトの文章を考えるところから胸熱でした。」


「本は人を呼ぶ」

普段本を読みながら、好きな一節をメモするという二村さん。そのたくさんのメモの中から選んでもらったのは角田光代さんの『私たちには物語がある』の中の一節。

『そう、本は人を呼ぶのだ』

「好きなものが本だって表明していると、『この本いいよ』って言ってくれる人が現れたり、本はそんな出会いを持ってきてくれるなあと思っているんです。ずっと読書は一人でするものだとずっと思っていたんですけど、本屋で働くとお客さんがオススメの本を教えてくれたり、オススメを聞かれたりすることがあったりして。私はそれをボーナスステージだと思ってるんです。そんな風に、本があることで人や人の気持ちが集まることが、ある気がしているんです。」


お話を聞いた後の帰り道、「本屋は楽しくなる義務がある場所だから、楽しくなきゃいけないんだよ」という
言葉をふと思い出す。
言葉の端々から、楽しい、が溢れる二村さんのお話を聞きながら、聞いているこちらまで思わず
楽しく、そして暖かくなっていた。

誰かの楽しさに触れると、触れたこちらまで楽しくなる。
きっと、ジュンク堂も、ミッドナイトジュンクラブも、そんな場所なのだろう。

たくさんの本と、楽しい気持ちが溢れる場所。
そんなジュンク堂で、いろんな本やいろんな気持ちの中で、自由に迷う真夜中、ミッドナイトジュンクラブ。
ことば部がその場所に参加できることも、嬉しく思った。

この連載も、そしていつか作りたい自分の書店も、そんな楽しさが溢れる場所にしたいな。
自分も、本のそんな楽しさに、呼ばれた一人だから。


『ジュンク堂書店 大阪本店』
10:00-21:00
大阪府大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ2階〜3階

◼X
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◼Instagram
https://www.instagram.com/junkudo_osakahonten/

『ミッドナイトジュンクラブ』
https://junkudo.co.jp/midnight